多数派はそんなに偉いのか?少数派プラン受験生のためのウカル技術

課題を解くとたびに、自分が少数派で落ち込んだりしていませんか?心配しなくても大丈夫です。少数派でも合格する方法はあります。

少数派でも一級建築士になれる

なぜ、多数派思考は重要なのか?

多くの受験生が選択する組み合わせは、プランしやすく、素直で無理のない計画に納まるケースがほとんどだからです。

そのため、客観的な視点からエスキスを進めるために、多数派を意識することは、効果的です。他の受験生なら、あの人なら、どう考えるだろうか?と想像するだけで、一歩引いた自分でいることができます。

多数派が必ずしも合格できない理由

じゃ、多数派なら”必ず”合格できるのでしょうか?

答えはNOです。

合格率が30~40%ですから、5割近くの多数派でさえ、不合格になっていることは明らか。

その上、毎年の再現図分析から、合格者の中には数多くの少数派が含まれていることもわかってます。少数派だからというだけで、不合格になることはありえません。

では、なぜ有利なはずの多数派が不合格になってしまうのでしょうか?

答えは、簡単。課題文の条件を外しているから、です。
もちろん、作図段階での不整合などもありえますがここでは議論しません。

どんなに多数派ライクな思考ができても、要求を満たしていなければ意味がなくなります。
どんなにきれいな女優さんだとしても、お箸の持ち方がいまひとつだと、やんわりチャンネルを変えたくなるのとよく似ています。

少数派が合格するテクニック

もうお分りですね?この考え方を覚えておいてください。

課題文の条件を外すな

課題文の条件を分類すると、
「やれ」「やるな」「くっつけろ」「はなせ」
の4つになります。

この条件を満たしている限り、ランク3、ランク4はありません。

どんなにおかしなプランであっても、条件を外さなければ採点の土俵行き決定です。勝負ができます。途中で投げ出したりせず、最後まで条件を満たすことに集中してください。

余計な配慮は不要です。

普通の建物を作れ

条件は満たしているのに、建物として機能していなければ、アウトです。でも、特別な建物は一切いりません。どこにでもありそうな、建物で構いません。

ごく普通の建物をつくれば、ランク2もクリアできます。
積極的なランク1を目指す必要はありません。消極的なランク1であっても、ランク1に変わりないです。

少数派であることに悩むあなたへ

しつこいようですが、少数派でも合格できます。だから、少数派になってしまうことにびびらないでください。

多数派思考を目指した結果、少数派になってもそれはしかたがありません。本当に多数派思考をすることよりも、多数派思考を目指すことで、客観的に、冷静に、エスキスに取り組むことの方が大切です。

それに、どうせ試験中にはどのパターンが多数派か確認することはできません。当日は自分を信じて判断を下し、課題文の条件をクリアして合格するしか方法はないんです。

合格に必要なのは、実際に多数派かどうかよりも、課題文の要求事項をどれだけ満たせるかです。多数派思考は、手段であって、目的ではありません

わかりやすい例を1つ

平成18年度の多数派アプローチは、
・GL-2m北側に入居者用地下駐車場の車路
・GL±0の南側に入居者・利用者・管理者
でした。

高低差を利用することで車路が短くなり、アプローチを分散させることで、南側に余裕を持たせるためです。ところが、猛者がいたわけです。全てのアプローチを南側にもってきた少数派が・・・

もうね、きゅうきゅうですよ。ただでさえ短辺方向からしかアプローチとれないのに、わざわざ南側に4つもアプローチをとるんですよ?

でも、ちゃんと合格しています。住居の向きなんかも思いっきり少数派でしたが。理由は、繰り返しになりますが、条件を1つも外していないからです。

大丈夫です。もし自分は少数派なんじゃないかと試験中にパ二クったら、思い出して下さい。この記事の女優さんを例えに使った下りで、博士が何を言いたかったのかよくわかんなかったなぁと。そんなことを思い出せている自分の冷静さに安心できます。

まとめ

少数派でも問題なく合格できます。100人の合格者がいれば、100通りの合格パターンが存在します。合格するための道は、けして1つだけではありません。少数派になったことを悩む暇があるなら、少数派の状態でもいかに上位30%のプランにもっていくか考えてくさい。少数派で何がわるい?やってやりましょう。

今日はここまで!!