一級建築士の初受験生は、製図試験の合格は難しいと言われます。本当でしょうか?たしかに、製図試験2年目、3年目の受験生に比べれば、学科試験後2か月半しかない初受験生は不利だとも言えます。一方で、海豆ユーザーの中には、初受験ながら、製図試験も突破する受験生が少なくありません。この事実から、製図試験に失敗する初受験生の原因を考えてみます。
学科試験が目標
不合格になる初受験生に共通する意識の1つが、学科試験の合格を最大の目標にしていることです。”一級建築士試験の合格”ではないんです。
しかたのないことかもしれませんが、学科が目標である以上、学科の手ごたえがあった時点で、満足してしまう方がよくいます。特に高得点を獲得したときは、注意してください。燃え尽き症候群になりやすいです。まだ試験が終わってないのに。
しかも、受験前から製図に落ちることを受入れてしまっているようにさえ見える方もいます。
ゴールはゴールではない
陸上競技の短距離種目を見たことはありますか?数年前から、ゴールライン上での選手の動きが変わってきています。10年前なら、ゴールラインが近づくと、上半身を強く前傾させることで、少しでもタイムを短縮することが常識でした。
ところが、近年、そのフィニッシュ動作をしない選手が増えています。なぜか?短縮するための行為だった前傾が必ずしも効果がないためです。
もっというと、前傾そのものはいいのですが、前傾するということは、ゴールラインをゴールだと強く意識することにつながります。その結果、ゴール手前で減速していることがわかってきたのです。
そこで、多くの選手はゴールラインよりも遠くに仮想のゴールを設定しています。フィニッシュ動作をせずゴールライン上を速度を保ったまま走り抜けることで、タイムを短縮するのです。

本当のゴールは一級建築士になって・・・
上記のことを試験にあてはめると、学科試験前後で減速する受験生が多い、ということになります。目標は、一級建築士になることです。さらに言えば、一級建築士として活躍することです。
本来目指すべき目標を間違えないでください。
ならどうするか?
製図試験を横目に学科を勉強してみてください。だからといって、製図の課題を解いたり、作図の練習をする必要はありません。
製図試験に出てくるキーワードと、学科の内容をつなげるだけでOKです。製図のキーワードは、本試験課題や標準解答例に出てきます。今勉強している内容がどのように製図試験で問われるかを知るだけでも、ゴールを遠くに設定できます。
もしくは、製図道具で学科試験の勉強をしておくのも良いかもしれません。
製図用のシャープペン
製図用のマーカー
製図用の消しゴム
製図用のタイマー
学科に合格した後、かなりスムーズに作図の練習に入れます。
まとめ
え?製図試験にゴールを設定したら、製図で失速する?心配はいりません!!上に書いた通り、本来の目標は一級建築士になってから何をするか、です。学科試験では製図を横目に、製図試験では本来の目標を見据えて戦ってください。大丈夫、きっとできます。学科は単なる通過点。
今日はここまで!!