こんにちは、博士です。
一級建築士製図試験は、課題文の条件を満たしていることを前提にすると、ある意味パズルです。立体的なパズルを二次元で考えることを求められます。
思いのほか、この立体パズルが苦手な受験生の方が多いです。
条件の整理まではできたけど、そこから先が進まない、という状態。
ちょっとしたコツを知るだけで、プランニングのスピードは向上します。ぜひ、試してみてください。
製図試験対策に欠かせない空間構成が上手くなるコツ
スタッキング
簡単に言うと、同じようなボリュームを上下で積み上げることです。
スタッキングチェアのスタッキングです。
まったく同じボリューム、同じ室数である必要はありません。組み合わせでもOK。
このように、上下でまとまったボリュームを積み上げると、コアの位置が決めやすくなります。
同じような大きさのボリュームを上下に積むということは、ヨウカンを切るように、建物を垂直方向に切り離して考えられるからです。
コアも上下に貫通しているので、垂直に切れますよね?吹抜けも同様です。その結果、水平方向に干渉することなく、”縦の筒”としてボリュームやコアを動かすことができます。
例えば、平成24年度『地域図書館』では、
ボリューム1:小ホール
ボリューム2:吹抜け
ボリューム3:図書部門
となります。
トレース・エスキスのモデル課題もあわせてご覧ください。
支配的な要素を上手くスタッキングすると、コア位置が検討しやすくなります。
また、動線がさばけて、あとは小物を適宜計画するだけ、になります。
ここで、上下のボリュームをずらしてみましょう。
コア位置が限られ、さきほどよりも、やりづらくなることがおわかり頂けますか?
すべての課題で有効な方法とは限りません。
建物構成上、支配的な室・室のセット・部門を課題文から読み取り、その候補として検討してみてください。あっという間に、プランニングできることもあります。
スタッキングできないときは、無理にこだわる必要はありません。あくまでも、空間構成を考える際のきっかけにしてください。
プッシュバック
主に主出入口のあるフロアでのお話です。
入口から見て、奥に大きなボリュームを押しやると、計画が比較的やりやすくなります。理由は、手前(入口側)にまとまった共用部分がとれることで、動線がさばきやすくなるからです。
なんとなくやっていた方もいると思います。これからは、意図的にやってください。
特に、短辺方向からのアプローチの場合は、効果的です。平成18年が典型例で、奥に診療所を押し込むと手前が、レストランと住居部門のエントランスで案分できました。
まとめ
繰り返しますが、今日紹介した方法は、課題文の条件に違反していないことが大前提です。テクニックだけを優先してしまうと、ランク1を逃します。テクニックは上手に使って、エスキスを有利に進めましょう。
今日はここまで!!