こんにちは、博士です。
2020年から大学卒業と同時に一級建築士を受験できるといわれても、何をしたら良いかわかりませんよね?
まして、社会人1年目で一発合格となると、難しそうな気がしてきます。
でも心配はいりません!!
今日ご紹介する方法で学ぶことができれば、十分合格を狙えます。
その方法は、試験の順番としては、後にくる製図試験の対策から始めることです。
社会人1年目で合格するためには、次の順番で学ぶことが大切。
- 11月から12月まで 製図試験対策:作図の練習
- 01月から07月まで 学科試験対策:過去問20年分を学習
- 08月から10月まで 製図試験対策:エスキスの練習
この順番を守ることで、学生時代の自由な時間を最大限活用できます。
では、なぜこの順番で試験対策を進めると、社会人1年目での合格につながるのか?説明していきます。
一級建築士試験とは?
毎年およそ3万人が受験する難関資格の一つです。
どれぐらい難しいかというと、2018年度の合格率は以下の通り。
司法試験【29.1%】
一級建築士【12.5%】
単純な比較はできませんが、司法試験の半分しか合格率がありません。
さらに難しくしているのが、
- 大学で学んだ内容で学科試験の点数は取れない
- 大学で学んだ内容で製図試験のプランは作れない
という現実。
大学4年間の学びは、一級建築士試験の合格にはほぼ役に立ちません。
そのため、一級建築士の合格にあわせた試験対策が必要となります。
試験構成と実施時期
一級建築士試験は、学科試験と製図試験から構成されています。
例年、7月に学科試験、10月に製図試験が実施されます。
学科試験
5科目・6時間30分・125点満点
出題される内容は膨大で、例えば法規では100種類以上の法令から問題が作られます。
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出題内容
- 計画:おもに意匠に関連する内容です。建築史や寸法なども含まれます。
- 環境・設備:建築空間を左右する自然現象や空調といった内容が出題されます。
- 法規:建築基準法をはじめ、児童福祉法、旅館業法などからも知識を問われます。
- 構造:工学系の建築学科であれば、ある程度なじみのある出題内容です。
- 施工:工事現場で最低限必要となる知識の理解を求められます。
製図試験
A2サイズの課題文をもとに、6時間30分で数千㎡のプランを作ります。
A2サイズの用紙にプランを作図し、A3サイズの用紙に設問に応じて記述回答を行います。
製図試験は、情報処理能力を見る試験です。
創造力や発想力は求められず、限られた時間内に、いかにクライアント(課題文)の要求を処理できるかを測られます。
求められる技能
- エスキス:大学でやるようなふんわりしたエスキスではありません。数時間で数千㎡のプランを完成するために、高速で課題文の情報を処理します。
- 作図:エスキスで作ったプランを表現します。かっこいい・きれい・おしゃれ、こんな図面は一切不要。採点者にわかりやすく、短時間で表現することが求められます。
- 記述:製図試験では、図面だけでなく、小論文のような方法で知識も問われます。学科試験の内容を十分理解していれば難しくありませんが、多くの受験生がココで苦しんでいます。
近年の合格率
平成では10%を切る年もありましたが、最近では10%超えを継続中。
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より詳しくはこちらをご覧ください。
一発合格に必要な試験対策
上記のような試験にどのように立ち向かえばいいのか、詳しく解説していきます。
社会人1年目は激務です。
どの業界でも、十分な学習時間を確保することは簡単ではありません。
そこで、学生時代の時間を上手に使って、一発合格をめざしましょう。
合格から逆算して取り組むべき順番
一級建築士試験は【学科⇒製図】の順番です。
でも、学習の順番を【学科⇒製図】とする必要はありません。
一発合格を狙うなら【製図⇒学科⇒製図】が断然おすすめ。
11月から12月まで 製図試験対策:作図の練習
7月の学科試験後、10月の製図試験まではおよそ2か月半しかありません。
たった2か月半の間に、
- 数千㎡規模の合格プランを数時間でまとめ
- さらに数時間で作図できる能力
を身につけなける必要があります。
これ、無理。
絶対とはいいませんが、相当難しいです。スポーツ少年団から2か月でNBA選手になるぐらい困難です。
私も初受験は、学科後から製図試験対策を始め、時間が足りず落ちました。
そこで、学科試験対策を始める前に、作図練習を年内にやっておきましょう。
年内に作図を身に付けておけば、学科試験に合格後は、圧倒的に有利な状態で製図試験に臨むことができます。
製図道具を揃えて、試験元である建築技術教育普及センターが発表している標準回答例を模写(トレース)してください。
5枚描ければ十分。10枚いったら最高。
同じ標準回答例をトレースして、毎回時間を測ってください。自分の成長が感じられます。
【 目標は2時間 】
2時間で作図できると、エスキスに3時間かけることができるため有利。
詳しい描き方は以下の動画から。現役の受験生の方が試験で求められるフル作図を1時間41分で完成させています。
多くの受験生は3時間を切るのがやっとですので、いかに速いかわかります。ぜひ参考にしてください。
[box05 title=”作図手順”]
1.名前・受験番号
2.面積表
3.断面図捨て線・延焼ライン
4.柱
5.寸法線
6.コア(階段・EV)
7.吹抜け
8.外壁・窓
9.内壁・建具
10.切断線・断面
11.外構
12.文字・家具
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製図道具の選び方
道具は使いやすいものが見つかるまで、根気よく探しましょう。
経験上、使い勝手良いものを下記にまとめてあります。
01月から07月まで 学科試験対策:過去問20年分を学習
卒業設計や論文、就職、引っ越しとイベントが続きますが、学科試験の過去問にとりかかりましょう。
過去問を学ぶ際は、
[box03 title=”過去問の正しい取り組み方”]
- [解ける・微妙・わからない]に分ける
- [微妙・わからない]を理解する
- 理解したものから覚える
[/box03]
の3ステップで進めると捗ります。
詳しくはこちらから
学科教材・学習方法の選び方
どんな教材でも学び方でも、過去問20年分の9割を100%理解することが学科試験合格の基準となります。
自分の学習スタイルや生活スタイルにあったものを1日でも早くみつけてください。
[box05 title=”資格学校”]
いわゆる専門学校です。
生身の先生による授業を受けるものと、映像による授業の2種類があります。
[/box05]
[box05 title=”合格物語”]
学科試験に特化した学習ソフトです。
過去問を選択肢レベルで分解し、理解度を可視化しながら効率的に学べます。
[/box05]
08月から10月まで 製図試験対策:エスキスの練習
学科試験後は、手ごたえに関係なく製図試験対策を始めましょう。
すでに作図は練習しているので、エスキスに集中して問題ありません。
プランを作るためのエスキスは毎年ほぼ同じ手順で課題を解けるため、基本となる手順を学習すれば十分です。
エスキスの教材と学び方
基本となるエスキス手順を理解しながら覚えましょう。
その上で、やりやすいようにカスタマイズしてください。
スマートフォンのように、基本的な使い方を覚えたら、必要なアプリを入れるのと同じです。
お勧めの教材はこちら
一級建築士の合格に必要なお金
最後にお金の話です。
大きな分岐点は、資格学校を利用するかしないか。
通学
資格学校は、私立の専門学校ですので、当然お金がかかります。
ざっと70万円ぐらい。
タイプミスではなく、70万円(ななじゅうまんえん)です。
奨学金を借りている方は、さらに負担が増えますので慎重な判断が必要です。
独学
一方、資格学校を利用しない独学では、20万円ぐらいです。
学科試験:およそ10万円(学科試験対策ソフト合格物語の場合)
製図試験:およそ10万円(ウラ指導さんの通信添削の場合)
資格学校に通学しなくても合格できるのか?
合格できます。
私は資格学校に通わず、インターネットの情報だけで合格しました。
最近では、多くの受験生が学科試験用の学習ソフトや、製図試験用の通信添削サービスを利用することで合格しています。
例えば、海外在住の受験生ですら、ネット環境を駆使して一級建築士になれる時代です。
もちろん、物理的に通学しないと勉強する気になれないという場合もあるので、自分にあった学習スタイルを見つけてください。
まとめ
社会人1年目で一級建築士に一発で合格するためには製図試験対策から始めること、これが本日のポイントでした。
これまで数千人の受験生の方と話をしてきましたが、学科試験の前に製図試験対策に取り組んでいた方は、初受験で一級建築士に合格する傾向が強いです。
ぜひ自由になる学生時代の時間を使って、国家資格を手に入れてください!!
今日はここまで!!