製図試験を乗り切ったエスキスの合格戦略

合格発表から数日が経ち、多くの受験生の方からご報告を頂いています。今回は、見事、肉を切らせて骨を断つ的な骨太の受験戦略で合格されたIさんのおたよりをご紹介します。製図カド番落ちからの逆襲です。しかも、離島というスーパー悪条件付き。

一級建築士を受け続けると決めた一年前

博士さま。

ありがとうございます。Iです。
昨年、カド番で落ちた時「受かるまで受け続ける」と決意したことが、心構えとしては良かったと思っています。

海豆研究所さんには本当に感謝しています。
なんといっても、自分にとって大きかったのは、トレース・エスキス(以下、TE)との出会いです。このエスキスによって、エスキスがまとまらない・・・なんてことがなくなりました。

順番通りに条件を書き出して、あくまで事務的に進めることで、余計なことを考えないで、一番の考えどころ(私の場合はゾーニングの決定でした)に集中することができたことが、何より大きかったと思います。

これから受験される方には絶対おすすめのエスキス方法です。しかも無料!ほんとにありがたい事でした。

また課題文にごちゃごちゃと線引きすると、後で考えるとき、マーカーや線に誘導されますが、このエスキスでは3つの色に意味を持たせて小さな丸しるしをつけるだけですので、条件整理がすごくしやすかったです。丸をつけるポイントは人それぞれだと思いますが、私の場合は

  • 作図を求められたものには赤丸(TEではピンク)をつけていまして、結構本試験課題では赤丸がついています。
  • でも、練習で赤丸は気にしなくなっていて、

  • (TEでは緑)の計画にかかわる項目と、
  • オレンジ(TEでは茶)の垂直方向に関する項目

に着眼してまとめる癖がついていました。

もうひとつ海豆エスキスで大きかったのがチェック方法です。

これまでチェック方法は、重要と考えた事項を用紙に書き出して、それをチェックしていましたが、海豆チェックはエスキス終了時に課題文の全項目を1回チェックし、作図終了後に同じ項目を再チェックと、二重でミスをなくすようになっています。

ただ、この全項目チェックは慎重にやればやるほどミスが減る一方、作図時間や計画の要点の記載時間がなくなります。私の場合はフリーハンドで2時間程度の作図が出来ていましたが、この訓練が一つの条件となってくるように思います。

本番では、作図中に欲がでて修正したり、緊張から丁寧に描きなおしたりと、2時間40分かかりました。そのせいで2回目のチェックが最後の面積チェックまで行かずに、作図中に修正した分の面積変更がチェックできず、面積計算ミスを招いてしまったのです・・・

ただ、面積計算ミスの減点があっても、しっかりプランを考えれば合格できた事実は、今後受験される方にも参考になるのかなって思います。

実際に試験で行った海豆チェックの写真を送ります。要求図書の2階梁伏図①と②が1回チェックのままなのがご覧いただけると思いますが、ここで時間終了となってしまいました。(TEでは、2回チェックが済むと×印になります)

IMG_0150_mini

最後にこの素晴らしいエスキスシステムを少しでも多くの受験生が活用して合格されていく事を願ってやみません。

博士さま。ありがとうございました。

製図本試験の課題文画像

IMG_0148_mini

トレース・エスキスを十分取り入れたチェック方法になっています。極力文字を消さないため、もし、途中でエスキスの間違いに気づいても、課題文がきれいなままのため、慌てる必要がありません。課題文条件の色分けも適切です。

IMG_0149_mini

とりこぼしなく確実に課題文をプランとして反映することができるため、採点者としては落としようがない図面となります。

まとめ

Iさんとはよくメールをやりとりさせて頂いたのですが、今年の理解度はぐんをぬいていました。トレース・エスキスを応用して、自分なりのエスキス手順を確立されたIさんの粘り勝ちですね。エスキスの重要性を理解したうえで、作図との時間バランスを適切に保つ能力がすばらしいです。
おめでとうございました!!

今日はここまで!!

trace-esquisse-under-banner6