選択肢としては、もちろんあり得ます。しかし、一級建築士試験の合格から逆算すると正しいとは言えません。
一級建築士製図試験はエスキスで決まる
ご存知の通り、一級建築士製図試験の合否は、プランの良し悪し、つまりエスキスで決まります。にもかかわらず、エスキスの時間を削って時間内に間に合わせようというのは、体重が気になるからとカテキン入り緑茶をがぶ飲みしながら、炭水化物を全力で頬張るのと似ています。
確かに、時間内に終えなければ合格はありえません。
でも、どんなに時間内に収めたとしても、その中身が間違っていれば、そもそも採点の土俵にすら上がれません。エスキスを削ってできた時間で作図している意味がなくなってしまいます。
合格に向けた適切なアプローチ
エスキスを削る前にできること
6時間半あるわけですから、作図に時間がかかるならエスキス以外の部分を削ることもできるはずです。
全体で7時間半かかるとします。完全にアウトです。オーソドックスな時間割だと以下になります。
3時間 エスキス
15分 確認
3時間 作図
15分 確認
45分 要旨
15分 確認
エスキスを削らなくても、調整はできます。
3時間 エスキス
5分 確認
3時間 作図
5分 確認
20分 要旨
5分 確認
”要旨”を不安に思われるかもしれませんが、もっとも引き出しを準備しやすいので、これまで解いた課題の模範解答を暗記して臨むことで対処できます。いや、してください。
残り時間に合わせた作図法の選択
一方、エスキスを大切にするという観点では、エスキスが終わった時点での残り時間に応じて、作図法を変えるという戦略もとることができます。
ノーマル
平行定規によるいつもの作図です。
2時間 エスキス
15分 確認
3時間 作図
15分 確認
45分 要旨
15分 確認
トリッキー
フリーハンドによる作図です。
3時間 エスキス
15分 確認
2時間 作図
15分 確認
45分 要旨
15分 確認
アブノーマル
単線による作図です。ある種、究極の選択です。何もしないで落ちるのか、一縷の望みにかけるのか。どうせあきらめるなら、単線であっても図面を描いて提出してきたほうが勉強になります。ちなみに、過去、単線で合格した受験生の方も存在します。
4時間 エスキス
15分 確認
1時間 作図
15分 確認
45分 要旨
15分 確認
まとめ
無駄なエスキスの工程や手順は別ですが、本来必要なものを削って時間を稼いで合格できるほど、一級建築士製図試験は単純なものではありません。3回製図試験が受けられるとしても、誤った方法で取り組めば、何回受けても、何度も落ちるだけです。どうか、優先順位を間違えないでください。
今日はここまで!!