構造力学だからっていつも計算してあげるわけじゃないんだからね!!

学科で嫌われている構造ですが、その理由の一つは、計算をしなければいけないことだと思います。一級建築士の学科試験で問われる構造力学の計算そのものは四則演算レベルですので簡単です。ただ、何と何をかけたらいいのか、何から何を引けばいいのか、よくわからいんですよね。今回は、計算がいらない構造力学問題の解き方をご紹介します。

以下の解説には不正確かつ邪道な説明が含まれます。

構造力学の計算はまだするな

次の問題を10秒で解いてください。

question
本試験よりも少しだけ難しくしました。10秒でなんて解けるわけがないと思ってますよね?合格者の中には本当に10秒で解いてしまう方もいるんです。なぜでしょうか?

計算のいらない解き方

構造力学が苦手で、どう計算したらよいかわからない方のための解き方を解説します。

1.変形をイメージする

モーメントに関連する問題の多くは、外力による変形をイメージできると解けてしまいます。では、今回の問題ではどのように変形するのでしょうか?次の中から選んでください。かなり極端に描いています。

trans

ポイントは、剛接合であること。つまり直角を維持したまま変形することです。絵がいまいちですが・・・点b、c、dは外力が点aにかかっても直角を維持したまま変形します。よってアが正解です。

多くの方がこの変形を理解できていません。構造力学で得点するカギの一つは変形をイメージできるか、です。ぜひ試験当日まで変形を意識してみてください。

そして、問題文にある通り、モーメントは部材の引っ張り側に表現します。選択肢と比べてみましょう。本試験では、この段階で正当肢を選べることもあります。今回は、ちょっとだけ難易度を上げました。

まず、No1、No2は削除できることがわかります。変形の引っ張り側にモーメントが描かれていないものを外すだけなので簡単ですね。半分に絞ることができました。

2.条件の違いを見分ける

残るは、No3とNo4です。モーメントは、変形のイメージに沿っているので、これだけではなんとも言えません。そこで、もう一つの条件を見てみます。EIです。

これは”剛性”の意味ですが、仮に剛性が何かわからなかったとしても、条件が異なるcb材とbd材が同じモーメント図になるか?と考えると、なんとなくならない気がしてきます。いいんです、雰囲気でいきましょう。

結果、No3を選びます。

ここまで、一度も計算していません。でも点数は取れます。

まとめ

今回紹介した解き方は、参考までに覚えておいてください。いつでもこのように解けるわけではありません。ただ、このような考え方を知っていれば、選択肢をしぼることで正解率を上げることができます。わからない=捨てる、だけではなく、わからないなりに対応する手段を身につけることで、差がつきます。

今日はここまで!!