製図受験生の合格に必要な学習と7月までのスケジュール

こんにちは、博士です。

学科試験に比べて、製図試験の学習スケジュールは、あまり見かけません。スケジュールを立てるのが難しいのだと思います。そこで、7月の課題テーマ発表までに、何をすべきか?その基本的な考え方とスケジュールの例をご紹介します。

学習スケジュール

おおまかですが、7月までのスケジュールの例です。すべては、不合格の原因究明からはじまります。

 原因究明 エスキス 作図
過去課題 施設見学 課題作成 採点体験 トレース 見切発車
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月

不合格の原因究明

ランク1を取れなかった原因を明確にましょう。原因がわからなければ、これからどんな学習をしても、本試験でまた同じ失敗を繰り返します。対策のとりようがありません。

方法

  1. 再現図を描く
  2. ランク1の再現図と比較する

自分の再現図をいくら眺めていても、不合格の原因はわかりません。なぜなら、他の図面との相対的な順位で、合否が決まる試験だからです。あなたが不合格の原因だと思うことをやっているランク1の図面も存在します。その場合、あなたが思う原因は、不合格の原因ではありません。

教育的ウラ指導さんが、東京と大阪で再現図を使った検証会を開催されます。不合格の原因をあぶりだせる絶好の機会です。次の試験で一級建築士になりたいのであれば、なんとしても参加してください。

ユーザープランニング検証会

ランク1の理解

原因の究明とあわせて、ぜひ本当のランク1図面を体感しましょう。

ランク1の図面は、プランがよく出来ていて、綺麗で密度高く作図されていると思っていませんか?そんな図面は、稀です。むしろ、ぎりぎり条件をクリアして、採点に耐えられる作図で、なんとか土俵に上がっている図面が多いです。

本物のランク1図面を知ることで、あなたの目指すべき方向がわかります。

不合格の理由が判明したら、理由に応じた対策をとっていきます。が、それは受験生一人一人異なるので、ここからは、共通して必要となる学習について説明します。

エスキス

7月までに、以下の学習を通して、エスキスを改良していってください。どんな課題でも、自信をもって合格プランを作れる工程を確立しましょう。

過去の課題分析

過去問を知ることで、本試験での対応力が向上します。本試験課題は、少なからず過去の出題を基に作成されています。つまり、過去問を知ることは、出題者のカードを知ることになるんです。

出題者がどのようなカードを持っているかわかれば、準備ができます。精神的にも落ち着いて試験に臨めるはずです。

施設見学

一級建築士製図試験規模・用途の建物を見たことがありますか?

人と物の動きをぜひ見てきてください。課題を解くときの感覚が変わります。なぜ動線を分けるのか、なぜ部門をまとめるのか、今まで漠然とやってきたことの意味がわかります。

バックステージツアーなどを開催している施設も多いです。いつまでも受け身の学習をしていては、10%に入れません。自分の足で、差別化をはかりましょう。

また、試験で出題される建物のボリューム感をみにつけてください。意外と小さいです。普段解いている課題の建物の大きさがわかるだけで、イメージしやすくなります。その結果、エスキスもはかどります。

課題文作成

出題者の視点をみにつけましょう。これまで憎たらしかった課題文が、味方のような気がしてきます。

A3という限られた用紙の中に、”ヒント”をちりばめる必要があります。出題者がどのような視点で、言葉を選び、条件を設定しているのか知るだけで、読み取りの精度が向上します。

過去問の分析から集めたネタをもとに、次の手順で課題文を作ってみてください。

  1. 模範解答例を作る
  2. 課題文に置き換える

採点体験

つづいて、採点者の目をみにつけます。伝わるプラン・作図とは何かを理解してください。

同じ課題を解いた他の受験生の図面を採点してみましょう。
他者の図面を採点すると、自分の図面にはなかった違和感を感じます。その違和感を採点者も感じています。そして、あなたの図面にもその違和感がたくさんあります。自分の図面のため、感じないだけです。

最終的には、自分の図面に対しても客観的な視点を持てるようになります。試験本番で、自分の図面を批判的に見れるようになれば、合格はもうすぐです。

作図

一度製図試験を経験していれば、心配はいりません。月に1枚、作図する程度で大丈夫です。

トレース

同じ図面を何度かトレースすることで、時間を短縮しながら、作図手順を磨きましょう。良質なプランをトレースすることをおすすめします。

見切り発車の練習

1/400プランがなくても、ゾーニング図から作図できる練習をしましょう。

見切り発車と聞くと、ネガティブな印象があるかもしれません。しかし、積極的な見切り発車もあります。それが、1/400プランに頼らない作図です。

いつも、思い通りにエスキスが進むわけではありません。本試験ならなおさら何が起こるかわかりません。1/400プランにこだわっていたら、時間が足りなくなることもあります。

製図試験は、エスキスで合否が決まります。エスキスといっても、細かな室の配置ではなく、ゾーニングの段階でほぼ決まりです。時間がなくなったケースを想定して、ゾーニング図を見ながら、作図の中でプランニングする練習をしてください。

思い切った練習を前半戦でどんどんやっておくと、後半戦で引き出しが増えます。

まとめ

ご紹介したのは、博士が受験生だったころにやってみたもののうち、主だったものです。これらを参考に、あなたの不合格の原因と照らし合わせながら、学習計画をたてましょう。

今日はここまで!!

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